8月25日文科省が発表した学校基本調査によると、5月1日時点での通信制高校在籍者数が初めて20万人の大台を超えたことが明らかになった。昨年より1万人増えたという。高校生全体の6%を超える。
通信制高校の存在が、マイナーな存在からメジャーな存在へと社会的に認知され始めている証であろう。15年程前に通信制高校の新設に携わったものとして、隔世の感がある。
あの当時、通信制高校の募集活動で中学校を回ると、けんもほろろの扱いが多く、胡散臭い目で見られたものだった。「必ず通信制高校の時代がやって来る!」と、若いスタッフを一生懸命励ましても、心が折れてしまうスタッフも少なくなかったものである。
しかし、預かった生徒たちが生き生きと変身し始めるとともに、応援して下さる先生方が次第に増えて行った。特に不登校の生徒たちを面倒見て下さっていた保健室の先生方は様々な情報を提供下さるとともに、サポートキャンパスに足を運んでいただくようになっていった。
そして、開校以来数年で予想をはるかに超える生徒が集まり、次々に定員を増やすとともに、全国にサポートキャンパスを広げていくことになったのである。
不登校の増加に伴ってここ10年、次々に通信制高校・サポート校への参入が相次ぐことになった。中にはコンプライアンスに欠け、社会の批判を受けて撤退するところもあったが、数年前にN高が参入し憧れの存在になったことで、通信制の人気を不動のものにしてくれたようだ。
いつでも、どこでも、自分のペースに合わせ、学びたいことを学ぶことができるという、多様性の尊重される空間が、時代遅れの管理的指導や、一斉授業の押し付けに嫌気がさしていた生徒たちのニーズに合っていたのであろう。
今、学校嫌いが3割に上ると言われている。とすれば、まだまだ通信制高校の希望者は増えそうだ。
時代はコロナ禍もあって、対面型からオンライン型へと大きく変わろうとしている。
殆どの大学の授業もオンラインで行われていると聞く。とすると、これは通信制大学と変わらないのではないか。学びの場の選択肢を増やすためにも、通信制高校にとどまらず通信制大学ももっと増えて欲しい。
通信制大学であれば、地方から東京に出てきて、高い学費と生活費の為に奨学金という借金を背負い、アルバイトまみれになることもない。地方ではるかに安定した学生生活が遅れるのではないだろうか。
東京一極集中にも大きな変化を生み出すに違いない。
- Posted by 2020年10月08日 (木) |
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