文科省の2019年調査で、小・中・高・特別支援学校のいじめは61万件で過去最多となり、小・中学生の不登校も18万件を超え過去最多となった。新型コロナの影響を受ける2020年は更に増えることが予想される。
ST気質の子どもたちは、五感だけでなく痛覚や不安覚も敏感であるが故に、コロナ感染にもより大きなストレスを受けやすく不登校につながることが予測される。
親の不安感や学校でのピリピリムードに敏感に反応し、不眠・食欲不振・感情の不安定化・強迫性障害など、心療内科の受診、更には入院につながることも少なくないようだ。
コロナ禍にあって家庭も学校も、子どもたちにとって以前にも増して安心・安全な居場所ではなくなっているようである。学校に関して言えば、カウンセリングを通して、未だにこんなおぞましい対応をする先生がいるのかと驚かされることが多い。
かつて、中学校の特別支援学級の担任から通常学級の担任へと異動した時、同僚教師たちの高圧的で理不尽な生徒対応に強い不信感を持ったものである。精神的に歪んでいるのではないかと思う程、勉強のできない子どもや非行傾向のある子どもたちへの差別的言動は激しかった。
自分の教え方や対応の仕方を振り返ることもなく、全てを子どもと親のせいにし、子どもの否定面をあげつらい、教師同士がかばい合うその排他的姿勢は目に余るものがあった。
子どもに寄り添い、子どもの側に立とうとする教師は異端児として攻撃され、排除された。
「子どもに迎合するな!」「媚びを売るな!」と、教師の権威を守ることが第一義とされ、子どもたちの心の傷はえぐられるばかりであった。これでは子どもたちが不満を蓄積するのは当たり前である。
1980年代にかけて校内暴力の嵐に見舞われたが、私の勤務する中学校でも校内暴力が荒れ狂い、全国に報道された鉄パイプによる職員室乱入事件まで起こることになった。背景となったのは教師側の心ない差別的言動であった。今でも胸が痛む。
子どもたちが学校を嫌になったり不登校になるのには理由があるのだ。その責任を学校外に押しつけたり、教師同士がかばい合って子どもの否定面のみに目を向けている限り、いじめも不登校も減少することはないであろう。
学校が果たして子どもたちにとって不可欠な場所足り得ているか、常に振り返りが必要だ。
後輩の教師たちには、上からの指示に盲目的に従うことで身を守るのではなく、苦戦する子どもたちに寄り添い、子どもたちから学び続けるという教師の原点を忘れないで欲しいと願っている。
- Posted by 2020年11月01日 (日) | コメント(0)
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