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コラム

【7月号③】そんなことぐらいで
【7月号③】そんなことぐらいで

 いじめを受け不登校になったことのある高校生が話してくれたことで、忘れられない言葉がある。

それは〝そんなことぐらいで〟という言葉である。

 この言葉は、彼の愛する母親が発したものだ。彼は小学校高学年になって、真面目であるが故に激しいいじめに遭い、苦しみの日々を送る。

「こんなことぐらいで弱音を吐くのは情けない」と自分に言い聞かせるも、食事も喉を通らなくなり、朝登校しようとすると腹痛に見舞われるようになっていった。

 彼は心身ともに限界を感じて、唯一無二の存在である母親に助けを求めたのだ。

 ところが母親の答えは、彼の苦しみに共感して味方になってくれるどころか、彼を地獄に追いやる予想外のものであった。

「そんなことぐらいで負けてどうすんの。もっと気を強く持ちなさい!」

 世界中が敵となろうとも母親だけは味方でいてくれると信じていたものが、ガラガラと音を立てて崩れ去ったという。それから彼は母親を拒絶し、3年以上も引きこもり生活を続けることになる。

「そんなことぐらいで騒ぐ方がどうかしている」「そんなことぐらいでいちいち助けを求めるな!」

 企業社会でのパワハラやセクハラも訴えた側が逆に不利益を被ったり、学校での部活動での体罰を訴えた側が「そのくらいのことで」と周囲の親たちから非難の目を向けられるということも少なくない。

 一次被害の心の傷より、この「そんなことぐらいで」という周囲の反応が、二次被害として深い心の傷となるようだ。

 言葉は魔法の力を持っている。人の気持ちを癒し、やる気を引き出し、自己実現へと導く力を持っている反面、心を突き刺し、生きる力を奪う凶器ともなるのだ。

 心が折れかかっている子どもにとって〝そんなことぐらいで〟という言葉は大きな打撃となる。

親だけでなく、子どもの教育に携わる大人たちが決して発してはならない言葉である。

肝に銘じて欲しい。




  • Posted by 2021年07月27日 (火) | コメントコメント(0

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