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コラム

【11月号④】ランドセル症候群
【11月号④】ランドセル症候群

 以前から小中学生の重たい通学ランドセル・通学カバンが、学校嫌いの一因となっていると警鐘を鳴らしてきた。

 小学1年から3年生の3人に1人が、ランドセル症候群と呼ばれる心身の不調を訴えているそうだ。

ランドセルの重さは、中身を含めて体重の10分の1以内であることが理想とされている。その目安は2.5kgであるが、小学1年から3年で平均が4㎏を超え、5㎏超えも珍しくないそうだ。

 その負担は心身の不調を生み、肩こり、首の痛み、腰痛、さらには登校を負担に感じる抑うつ気分として現れているという。何で入学早々、非科学的な負荷を与えて苦難に耐えることを要求するのであろうか。

 かつての子どもたちは物ごころついた頃から、お兄ちゃんお姉ちゃんにくっついて野山を走り回り、幼くても家事労働の分担があって心身の逞しさが違った。学校の非科学的精神論による体罰さえもものともしない精神の強さもあった。

 しかし時代は大きく変わり、子どもたちが逞しく生きる環境が良くも悪くもなくなってしまった。

 そもそも今の学校教育は明治維新政府の富国強兵策の中心システムとして生み出され、子どもたちの心身の鍛錬が第一義とされた。そのために学校は理不尽なことを要求する場所であり、子どもや親はそれに耐えるのが役割だと教え込まれてきたのだ。

 〝教師は理不尽なことを要求する人〟〝子どもはそれに黙って従う人〟という構造が受け継がれてきたと言えようか。

 この構造は時代遅れになっているが、学校というシステムの中に入ってしまうと、この構造が居心地が良く、教師たちはこのぬるま湯の中に肩までどっぷりつかってしまう。

 自分が中心になって何かを変えるにはエネルギーがいるし、批判を受けることも覚悟しなければならない。

 そんなことなら前例を踏襲し、指示されたことだけを当たり障りなくこなせばよいという事なかれ主義が横行する。

 そんな教師たちの無責任さのつけの一端が〝ランドセル症候群〟となって顕在化し、子どもたちを苦しめているのだ。

 置き勉にしても校則にしても教師が子どもたちに寄り添って判断すればいつでも実現できることだ。

 不登校を選択した子どもたちが20万人を超えるというのに、同じやり方で突き進むというは明らかに異常である。 

 子どもの体力・体格・精神力関係なしに全員一律に同じ行動を押し付けるのは、苦役でしかない。3人に1人が心身の不調を引き起こすのも当然である。

 困難はそれを乗り越える意味、乗り越えた先に何があるのか、そのことが分かって取り組んでこそ達成感が生まれ、生きる自信になる。

学校の総点検、見直しが必要だ。このままでは、学校=子どもたちの心と身体を破壊するフラックボックスと化してしまう。

 今こそ子ども庁が中心となって子どものニーズに合わせて、未来に開かれた多様性に富んだ学びのシステムを構築すべきである。


  • Posted by 2021年11月22日 (月) | コメントコメント(0

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