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コラム

【12月号④】超エリート家族の悲劇

 超エリートである元農水省事務次官による長男殺人事件は、学力・学歴だけでは家庭の幸せは築き得ないことを改めて考えさせてくれた。

 私はかねてより、高学歴の〝三高父さん〟、教育熱心な〝花柄母さん〟、〝優等生の長男〟の教育家族は、子どもが思春期でつまづきやすく、そのことによって、家庭が崩壊したり機能不全家族に陥りやすいと警鐘を鳴らしてきた。

 この家庭でも、長男がつまづいたことにより長女は自死を選び、母親はうつになってしまったと報道されている、典型的な機能不全家族である。

 だがもっと気になることは、長男の発達障害がクローズアップされ、発達障害=暴力=危険な存在というネガティブなレッテル貼りが行われていることだ。

「長男が発達障害であったがゆえに、父親がその暴力に怯え、社会的な事件を引き起こす前に自らの手で命を奪ったのであり、父親としての責任を果たしたというべきである」「不幸だったのは、長男が発達障害だったということであり、父親の処分は寛大であるべきだ」

 そういう社会の空気もあってか、父親へ一審の判決が下された折には、検察側から「身体を大事にしてください」という異例の声かけがあったり、6年の実刑判決後に、これも異例中の異例の保釈が認められるという温情あふれる対応がなされている。

 しかし考えて欲しい。発達障害と診断された人が全て暴力的だろうか。

 私の周囲では、この発達障害という否定的呼称ではなく、素晴らしい五感力に満ちた〝スペシャルタレント〟という視点への切り替えを計る家族が増え、お互いの得意を見つけ出し合う応援団として機能し合っている。

 発達が定型発達モデルからずれていたり凸凹であったりする人々を、発達障害と否定的に呼ぶ限り、個人の問題にすり替えられ、家族を分断することになる。

この非定型発達は、家族性のものである。子どもがそうであれば父親か母親かもしくは両方がそうである可能性が高く、この家庭では自死した長女もそうである可能性が高い。

 父親自身が、白黒をつけたがり、結論を急ぎ、曖昧な状態に身を置くことにストレスを感じる自分の気質への自己認知が進んでいれば、この不幸な結末は避けられたかもしれない。私は父親の自分の気質への無理解がゆえにこの悲劇は起きたと考えている。

 社会が発達障害という呼称を使い続ける限り、家庭内の悲劇はなくならない。家族が応援し合う家族になるためには、お互いがST気質を持つST家族であるとの自己認知が欠かせない。

 はるかな道程だが、ST気質及びST家族への理解を広げるためにあきらめずに闘い続けるつもりだ。

 最後に、優れた能力を発揮することができず、自己否定感に支配され続けたまま、ついには実の父親に命を奪われてしまった熊沢英一郎さんのご冥福を祈らずにはいられない。




  • Posted by 2019年12月25日 (水) | コメントコメント(0

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