先日、なじみのお寿司屋さんとバッタリ出会って、そのご主人の怒りとぼやきを聞き胸が痛んだ。
安倍首相の突然の一斉休校の指示で、小学生と中学生の子どもの給食がなくなり、昼食を用意するのに苦戦しているというのだ。奥さんは介護施設で働いているために休みが取れず、ご主人がランチの時間が終ると、車で20分ほどの自宅に帰り、子ども二人に昼食を作って食べさせると、すぐに店に戻って来て、夜の準備をしているとのこと。
「突然のことで、女房はシフト替えは難しいと言うんで、自分がやるっきゃないと思ってやってますがきついです。子どもも、図書館も映画もカラオケもダメ、その上遊園地もディズニーも休園でどこにも出かけることができず、ストレスをためて兄弟げんかが増えてピリピリしています。とても安倍さんのやり方は理解できません」
このご主人の嘆きは、職業の違いはあれ全国の小中学生を持つ家庭が直面している共通の思いであろう。
給食はかつてない程、子どもたちの命をつなぐ役割が大きくなってきている。その上、地域の子ども食堂も休止するところが相次いでいるという。
このままでは、子どもの命と健康を守ることさえできなくなってしまう。
小中学校の給食だけは実施できないだろうか。狭い教室での感染が心配ならば、二部制にすれば、いつもの教室に半分の人数で済む。家庭で用意できるところはパスすればよい。
給食と同時に子どもたちから春先の別れを奪ってしまったのも残念でならない。感傷的な別れの季節があって、ワクワクドキドキするような新学期の出会いの儀式が心に残るものとなる。
今からでも遅くはない。三月の最後の週は登校日として、別れを惜しむ時間を与えて欲しい。これは各自治体でできることである。感染者の出ていない自治体は恐れずにチャレンジして欲しい。
今回の総理の全国一斉休校は、専門家会議にも諮られず、驚くことに文科相も発表当日知ったという。
この出来事を通して、全国一律という問答無用の上意下達の恐ろしさを肌で実感している。
オリンピックを開催したいがために対応が後手後手になってしまった感は否めない。
オリンピックのために、下々の者は苦しくとも辛くとも我慢せよ!という内なる命令が聞こえてくるようである。〝欲しがりません、勝つまでは〟と戦争中の少国民が我慢を強いられたことを思い出す。
オリンピックは追いつめられて中止にするより、早めに決断した方がいい。そうすれば、必要な人にはしっかり検査もでき、専門家の英知を結集して感染対策にじっくり取り組める。
オリンピックが、子どもたちの命と健康、別れの時間、貴重な春のヒト体験・モノ体験を犠牲するものであってはならない。
- Posted by 2020年03月09日 (月) | コメント(0)
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