〝おかげさま〟は、〝ありがとう〟と並ぶ魔法の言葉で、周囲のサポートを得て自己実現を目ざすために欠かせない言葉である。
スペシャルタレント気質の人々は、豊かな才能に恵まれる反面「おかげさまで…」と口に出せない人が多い。
ゆえに、人間関係でつまずいたり、チームの中で孤立することになり、思うように才能が発揮できなくなってしまうのだ。
スペシャルタレント気質の人に出会うたびに、この素晴らしい才能に、「おかげさまで」が言えたら〝鬼に金棒〟、周囲のサポートとリスペクトが得られ、社会的な成功間違いなしだと言い続けてきた。
そんな鬼に金棒の人物の一人が、今回ノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎さんである。
自身が国籍を日本からアメリカに移した理由について、研究環境と同時に、人間関係に過度に気を遣わなくて済む気楽さを挙げている。
私生活では、「何かを考え始めると、運転に注意を払わなくなる悪いドライバーだ」と話し、日本に戻りたくない理由を「周囲に同調して生きていく能力がないから」と、同調圧力の強い日本での生きづらさを率直に表現している。
マイペース、無類の好奇心の強さと集中力、自分の居場所を見つけ出す感覚の鋭さなど、スペシャルタレントの代表的存在だと言えるであろう。
真鍋さんの創造的な研究に、今やっと時代が追いついてきたようだ。気候変動による自然災害の多発は正に予言通りである。
もっと早くに評価されていれば、脱炭素社会の実現もペースが速まっていたかもしれない。
そして何よりもリスペクトできるのは、妻の信子さんに対して、「料理上手で素晴らしいドライバーであり、その〝おかげで〟自分自身の研究に集中できた」と笑顔で感謝の心を表現されていたことである。
天才的なひらめきに感謝の心、車の両輪が揃い、正に鬼に金棒と言えようか。
この〝おかげさまで〟という感謝の気持ちが周囲の後押しを引き出す力となり人間関係のトラブルを防ぐ魔法の力となる。
一方で、相手が求めるこの一言を言えないばかりに、日本中を騒ぎに吞み込んでいる家族もいる。
「あの節は〝おかげさまで〟助かりました。本当にありがとうございました」とただそれだけを伝えることで、みんなが幸せになれるのにと思うと残念でならない。
〝与える者が与えられる〟という言葉がある。「おかげさまで」という魔法の言葉をケチっては応援団は生まれない。
今からでも遅くはない。日本中のもやもやと不安、そして不信を一気に吹き払うために、魔法の言葉を口にして欲しいと願わずにはいられない。
- Posted by 2021年10月11日 (月) |
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