トップアスリートや著名な芸能人には、豊かな五感力を内包するST気質の持ち主が多い。
アスリートにはずば抜けた動体視力や空間認識能力が欠かせないし、芸能人は絶対音感、創造性、色彩感覚が必要だからだ。
この生まれ持った才能を生かし、その領域では素晴らしい社会的成功をおさめた人たちが、家庭生活では妻をうつに追いやったり、離婚を突きつけられたりと苦戦していることが多い。
それはこのSTパパたちに共通するこだわりの強さ、白黒二分化思考、完璧主義、偏食、自分本位の子どもとの関わり方、一方的コミュニケーションなど、パートナーと力を合わせて家庭を経営する能力に問題があるからだ。
「ちゃんと話を聴いてくれない」「全く一方通行で話がかみ合わない」「子どもとうまく絡めずに高圧的な指示・要求になり、子どもがなつかない」「面倒くさいと思うと黙り込んで人を無視する」「自分の趣味の世界に逃げ込んでしまって家族と会話をしない」などなど、STパパの家庭内のあり方には、自分の気質への気づきの弱さからくる独りよがりがある。
社会的成功というステータスによって結婚まではたどり着いても、お互いに気を遣い譲り合い共感し合うことが日々要求される家庭生活では、自分のコミュニケーションの偏りへの自己認知がないと、そのバランスの悪いコミュニケーションが妻を疲れさせ、うつに追いやってしまうことになる。
子どもが思春期に差しかかると、子どもとの関係が悪化し、子どもまでもうつに追いやってしまうことも少なくない。
STパパたちを悲劇に追い込まないためには、社会全体のST気質への理解が必要だ。
ST気質の問題は学校生活を送っている子どもたちの問題より、社会的にも成功しているSTパパたちの問題がより深刻である。
トップアスリートや芸能人に限らず、私は日本の離婚の多くがSTパパたちの自己認知不足から来る夫婦のすれ違いから生じたものと考えている。
ST気質への国民的理解が深まると同時に、少なくとも妻たちの理解が深まれば離婚も減るし、うつも激減するはずである。
一方でSTパパは、自分の成功が周囲の限りない受容と犠牲の上に成り立っていることへの気づきと感謝がなければ、決して幸せな人生の終末を迎えることはできないだろう。
「おかげさま」「ありがとう」は、STパパが幸せな家庭生活を守り、家族のうつを吹き払う魔法の言葉である。
- Posted by 2022年01月29日 (土) |
コメント(0)
この記事へのコメント
コメント投稿
※コメントは承認制のため、投稿をしてもすぐには反映されない場合があります。ご了承ください。
※スパム対策の為、お名前・コメントは必ず入力して下さい。
※記事が削除された場合は、投稿したコメントも削除されます。ご了承ください。