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コラム

【2月号】しつけという名の暴力
【2月号】しつけという名の暴力

 子どもを「懲戒することができる」とした民法の規定がやっと削除される見通しとなった。

懲戒権は1889年の旧民法から続く規定であり、一般的に「しつけ」と解釈されることが児童虐待の口実とされてきた。

特にシングルマザーのパートナーになった男性が、女性の子どもに暴力を振るって死なせてしまう事件が明るみになるたびに、しつけのつもりだったと公言し、その存在が負の遺産となっていた。

 かつて、私が中学校の教師をしていた1980年代は校内暴力が吹き荒れていた。校舎内を自転車が走り回り、ガラスは割られ、壁には至るところに穴が開いた。対教師だけでなく、制止しようとする仲間にも容赦ない暴力が襲いかかった。

 しかし、生徒たちにじっくり向き合い話を聴いていると、暴力を振るっている生徒たちの多くが親たちから暴力を受けて育っていることが見えてきた。

 物事を解決する手段として、言葉ではなく暴力を用いた親のそのやり方を、知らず知らずのうちに受け継いでしまったのである。全てを暴力で解決しようとする暴力万能主義と言えようか。

 学校が生徒の暴力事件について、家庭での協力を求めようものなら、父親によって有無を言わさずボコボコにされ、翌日には学校で大暴れした。

 この時、どんな理由があろうとも暴力は暴力しか生み出さないことを強く実感させられた。

 教師の体罰も同じである。まだわが国には「体罰も時によっては必要だ」という考えも根強いが、体罰も子どもたちの心を傷つける暴力であることには変わりない。

 懲戒権がなくなることをきっかけに、子どもたちの人権(子どもの権利)に対する意識も大きく変わって欲しい。

子どもも大人も同じように固有の人権が保障されて当然である。子どもは親の所有物ではない。生まれた時から人として尊ばれなければならない。

親権というと、わが国では子どもを引き取る権利、支配する権利と思われがちだが、外国では子どもの権利を代行する権利と理解されている。親権というものの基本的な捉え方を変えていく必要がある。

 何はともあれ、超少子化の中で子どもたちが安心して子ども時代を過ごせるように、一歩だけでも前進できたことは喜ばしいことである。




  • Posted by 2022年02月08日 (火) | コメントコメント(0

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