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コラム

【3月号②】顔施
【3月号②】顔施

 仏教用語に〝顔施(がんせ)〟という言葉があるそうだ。
「誰に対しても優しい笑顔を向けなさい」ということであろうと理解している。

私ども家族支援カウンセラーの目指す方向と合致する言葉なので気に入っている。

しかし今、この〝顔施〟を実践することは難しい。コロナに加えてロシアのウクライナ侵攻、急激な物価高など、気分を鬱々とさせる社会現象が目白押しだからだ。

この世界を襲う〝うつ的気分〟は、子どもや経済的弱者に強いダメージを与える。コロナ過の学校生活のストレスによって不登校が激増しているようだ。
心療内科の予約が取れないという悲鳴にも似た嘆きの声をあちこちから聞く。

更に今、シングルマザーの苦境が深刻化しているようだ。コロナ過でシフトを減らされたり、雇止めにあったり、企業の雇用の調整弁としての扱いを受けているのだ。

組合もなく相談する機関も知らないために泣き寝入りするしかなく、生活は困窮する一方で、子どもたちは学校の給食だけを頼りにしているという話も聞く。

このままでは、さまざまな負の連鎖が起きやすくなる。母親に経済的・精神的余裕がなければ虐待も増えるのは当然である。

子どもを虐待死させた母親は、自らも虐待の被害者であったことが多い。負の連鎖である。

笑顔もなく生活に追われてただ怒りっぽい母親がモデルでは、自分も笑顔で子育てができようはずがない。

笑顔が生み出す力を実感し、実践してもらうには、周囲の人から笑顔でサポートしてもらう必要がある。

そして、笑顔は人を癒し、元気づける力があることを知り、自分も子どもにそうありたいと気づいてもらう必要がある。これが〝顔施〟ということであろうか。

それにしてもわが国の政府の貧困対策は、まさしく貧困である。
シングルマザーからの支援の申請をただ待つのではなく、シングルマザーを訪問してそのニーズを聞き取るなどのアウトリーチ型の支援があれば、虐待も防げるはずだ。

行政はシングルマザーへの支援を民間の善意に頼り、自ら先頭に立とうとはしない。ロシアの侵攻によって苦しむウクライナの子どもたちに、救いの手を差しのべるとともに、わが国のシングルマザーの家庭の子どもたちにも手厚い支援をして欲しい。

お隣の韓国では、出生率が0.84(わが国は1.34)に低下した。世界最低水準である。背景には、就職難、住宅費の高さ、教育費の高さがあるという。わが国も同じだ。

経済格差は少子化を加速させる。今だけ、ここだけ、自分だけという新自由主義が国を滅ぼしている。




  • Posted by 2022年03月17日 (木) | コメントコメント(0

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