「あれっ、今までと言うことが違ってるぞ、どうしたのかな?」と思いながらも危うく騙されるところであった。
私たちアナログ世代の情報リテラシーは低レベルである。写真や映像、そして新聞・雑誌の活字を疑いもせず受け入れてしまうところがある。
世間に向けて発信される情報は、幾重にもファクトチェックがなされ、信頼に足るものだけが目の前に提供されているはずだという善意の思い込みがある。
振り込め詐欺で騙される高齢者は特にこの傾向が強い。自分にアプローチしてくる人間がそんなに悪人であるはずがないという性善説の塊である。
SNSの世界が広がるにつれて、人をだまし、人を傷つけ、他人に成りすます人たち、虚偽の情報を流し人の思考や価値観を思い通りに支配しようとする人たちが増え続けブラックな側面が強くなっている。
老人だけでなく若者たちの情報リテラシーもレベルアップが求められている。
つい先日も高校の部活動の仲間からSNSで激しい誹謗中傷を受け、深刻な心身症状を引き起こしている高校二年生の相談を受けた。一度拡散された否定的なニセ情報を簡単に消し去ることはできないのだ。
かつては学校生活の中で仲間とのトラブルがあっても、家庭の中で過ごす夜の時間帯はそのストレスから逃れることができたが、今は24時間どこに居ても神経は休まらない。
夜のうちに事態が急展開し、翌朝学校に行ったら自分の居場所がなくなっていたということも少なくはないのだ。
それゆえ、家に帰ってもトイレや風呂の中までスマホを持ち込み、エゴサーチが欠かせないのだ。
SNSの世界は対面ではなく匿名性が保たれるので、虚偽情報も垂れ流しやすいし、人を陥れることも簡単にできる。情報リテラシーが備わっていないと、思わぬダメージを被ることになる。
新聞も読まない、テレビのニュースも見ない若者たちは、その情報源の殆どをネットの世界から得ている。このネットの世界を賢く泳ぐためには、情報に支配されるのではなく、必要な情報を取捨選択し、自分の生活に活用する情報リテラシーが不可欠である。
入学シーズンである。若者たちが学校時代にどれだけ情報リテラシーを身につけてくれるか気になるところである。
SNSは諸刃の剣である自覚を持って欲しい。SNSが人をだましたり、傷つけたり、いじめの道具として使われてはならないのだ。
新しい時代の新しいモラルが求められている。
- Posted by 2022年04月05日 (火) |
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