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コラム

【5月号②】体罰という名の暴力
【5月号②】体罰という名の暴力

 学校の部活動のあり方に変化が生まれようとしている。

スポーツ庁が2025年度までに、休日の公立中学校の部活動の運営主体を、地域の外部団体に移行する提言を策定したのだ。ただ解決すべき課題も多い。

最大のものはスポーツ指導者の意識改革である。スポーツ指導者には「体罰も場合によってはやむなし」という考え方の人が未だに多数派である。さらには、指導者絶対主義とも呼ばれる悪しき体質も根強い。

熊本の秀岳館高校のサッカー部のコーチの暴力事件はその氷山の一角である。暴力が日常的なものであり、それを告発した部員を監督が脅して逆に謝罪の動画を投稿させるなど、部活動の指導者の地位を利用してまさにやりたい放題である。

暴力を振るう指導を体罰と言い換え、指導の一環であるかのように言いつくろう。そして部員に口封じをするのだ。もし告発する部員がいたら、部の中で干されたり、やめざるを得ないように追い込まれていく。告発する側の不利益は大きなものがある。

部活動の指導について、現場の捉え方は二分されている。部活動の指導は本務ではなく特に土日の指導・大会引率などの負担が大きく、過労死の不安がつきまとい学校から切り離すべきだという立場の教師と、部活動は重要な学校教育の一環であり、生徒たちの心身の鍛練の場として欠かせない。生活指導も含めて、教師が負担すべきであるという積極派も少なくない。

総じて部活動積極派は「体罰は愛のムチであり、勝つためには時によって許される」という考えから抜け出せず、自分たちもそのような指導を受けて勝てるようになったという指導モデルを踏襲しているように見える。

「勝つチームを作れば文句は出ない」との勝利至上主義の意識も根強いものがある。

部活動という閉鎖的空間では、大人として更には技術的な優位者として、子どもたちを思うように支配することができる。
その上、保護者たちも下にも置かぬもてなしをしてくれる。ある意味、専制君主のようなものであって、ちょっとやそっとでは手放したくない優越的ポジションである。

私立学校の中では、強い部活動の指導者が幹部に登用され、学校の実権を握っていく。そして、後輩たちの法令違反の指導に目をつぶり、時には隠蔽にも手を貸すのだ。秀岳館高校のサッカー部の監督は校長補佐という役職に就いていた。

この負の構造を抜きにして、部活動の改革を進めようとしてもうまくいかない。わが国のスポーツ界のあり方そのもの、男性優位主義(マチズモ)から生じる古い体質が問われているのだ。

体罰にいい体罰も悪い体罰もない。すべては暴力なのだ。

教師の暴力による指導は、子どもの二面性を助長する。教師の前では従順にふるまい、裏では仲間・後輩への暴力・いじめに手を染める。しつけという名の後輩への暴力が伝統化され、再生産されていくのだ。

子どもたちよ、負けずに声を上げよう!恐怖心に支配された部活動などまっぴらごめんだと!






  • Posted by 2022年05月27日 (金) | コメントコメント(0

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