これまでは、児童養護施設などの入所期間は原則18才まで(延長で22才)で、その後は「ケアリーバー」と呼ばれ自立しなければならなかったが、その際には親を頼ることもできず困窮孤立状態に陥りやすいと言われてきた。
それが今回改正される児童福祉法では、支援の年齢を一律的に制限することをやめ、施設や自治体が自立可能だと判断するまで入所を継続できるようにするだけでなく、施設を出た後のアフターケアにも取り組むことが定められた。支援の質の向上と言えよう。
又、虐待を受けた子どもを親から引き離す一時保護の要否を裁判官が審査する制度も導入される。
国会では家族の介護や世話に携わる子ども「ヤングケアラー」の支援推進も検討されている。
やっと様々な領域で〝支援〟という言葉が目立つようになり、少しずつ社会も変わり始めたようだ。
すべての家族が孤立化し子育て能力を低下させる中で、子育てを個人的な営みとして家庭に押しつけるだけでは、ますます子どもを産みづらい国にしてしまうだけである。
子育て支援、家族支援、障害者支援、困難女性支援、犯罪被害者の家族支援、刑務所出所後の自立支援、障害者の自立支援など、支援という名の法整備や支援システムが生まれているが、これらの支援の中身が、ニーズに押され小出しに具現化されるのではなく、ニーズを先取りする大胆な政策の展開が求められている。
新設される子ども家庭庁も、その権限や政策領域が曖昧であってはならない。強力に子育て支援の全領域がカバーされるものであって欲しい。
子どもたちや若者たちは、この国が本気で弱者をリスペクトし、支援しようとしているのか、それとも形だけのものなのかをじっと見ている。
法律を空文化させないためには、その中身が日本の隅々にまで伝わる必要がある。
いじめ防止対策推進法さえ、現場の教師には正しく伝わっていない。子どもの権利条約も読んだことがないという教師も多い。
これを機会に子ども支援の関係者に児童福祉法の理念が再確認されることを強く願う。
- Posted by 2022年06月26日 (日) |
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