カウンセリングの大事な技法の一つに、コンプリメントがある。
カウンセラーの相談者に対するねぎらいや、励ましの言葉であり、この言葉で、安心感や承認欲求を満たし、スムーズにカウンセリングを展開することができる。
「一生懸命頑張ってきたのにお子さんが学校へ行けなくなったのは、本当にお辛いですね」
「家族と気持ちがすれ違うと、本当に悲しくなりますね」
「1人で問題を抱え込んで出口が見えないと、正直、生きることをやめたくなることもありますよね」
などなど、コンプリメント次第で相談者の心がほぐれ、心が開くのである。
コンプリメントは、カウンセリングの場所だけでなく、あらゆる場所で応用できる。
「毎朝、笑顔での送り迎えすごいですね。私たちもお母さんの笑顔で元気をいただいています」。
保育園の門前では、こんなコンプリメントが展開されていることだろう。
「お仕事のお休みを取るのは、きっと大変だったろうと思いますが、保護者会にこんなにたくさんお集まりいただいて、心から感謝しています」
子どもの学校で、こんなコンプリメントがあるだけで、上司に頭を下げて必死に時間を工面した苦労も
報われるというものだ。
「お父さんが早く帰ってきてくれて子どもたちも大喜びだったわ。本当に助かる。上司の方にもくれぐれもよろしく言ってね。女房も喜んでいるって!」
こんなコンプリメントは子育て中の家族を幸せにしてくれるであろう。
「部活で疲れているのに、ちゃんと自分の食器も洗ってくれてお母さん助かるわ。生まれてくれてありがとう」
これで、思春期の親子関係も心配ないであろう。
また、自分に対しても、お風呂の中で、「一日、よく頑張ったわね。立ちっぱなしだったからふくらはぎがパンパン。念入りにマッサージしなきゃあね。そして、お風呂上りに頑張っている自分に冷えたワインをごちそうしてあげよーっと!」
こんなふうに、一日の終りに意識的に自分の頑張っていることを声に出してコンプリメントしてあげる
と、ハッピーホルモンと呼ばれるドーパミンが分泌して、自分を内側から元気にすることができる。
心身の免疫力が回復するはずだ。
それができたら、家族の頑張っているところもコンプリメントしてあげよう。
コンプリメントは、トレーニングすると、どんどんうまくなる。それは、コンプリメントによって相手の笑顔という報酬が得られるからだ。この笑顔こそ、自分を幸せにしてくれる最大のビタミンなのだ。
日本人も、もっともっと気持ちを言葉にしよう。
“家族だから言葉にしなくてもわかりあえるはずだ”これは大きな間違いである。
家族だからこそお互い言葉をけちることはやめよう。
愛情も感謝の気持ちも、最も大切な人には、言葉で伝えよう。
- Posted by 2013年06月30日 (日) |
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