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コラム

【1月号】ST家族

 昨年末、都内の中学校のPTAが主催する道徳公開講座で、保護者向けに話をさせてもらう機会があった。

テーマは、「思春期の子どもと向き合うコミュニケーション」。

 唯一の父親を除けば、参加者は母親ばかりだった。ウィークデイの午後ということもあり、やむを得ない面もあるかもしれないが、以前にも増して運動会以外の学校行事は、母親任せという構図が強まっているのを感じさせられた。

孤育ては、父性と母性のすれ違いを生み、家族機能を劣化させ、家族を危機に追いやってしまう。

総じて、母親たちの表情に活気がないのが気になった。

 

 案の定、講演後、校長室でのカウンセリングの依頼が相次いだ。

共通するのが、夫とのコミュニケーションのすれ違いであり、蓄積されたストレスであった。

父親たちは、それぞれに高学歴であり、教師・公務員・設計士など、社会的にも認められる職業についていた。

 「全く一方通行で話がかみ合わない!」

 「上から目線で、学歴で相手を差別する」

 「子どもとうまくからめずに、高圧的な指示・要求で終わってしまう」

 「自分の趣味の世界に逃げこんでしまって、家族と会話をしようとしない」

 

などなど、ST気質をうかがわせるパパたちの、家庭内における否定的な部分が、これでもかこれでもかと母親たちの口をついて出る。よほど夫に対する不満が蓄積していたのであろう。

 

 今、社会的には評価されるような仕事をしているが、家庭内においては、家庭経営能力に欠け、一方的コミュニケーションの持ち主であるSTパパが増え続けている。

幼い頃より、学力は高くても共感力をベースとした双方向のコミュニケーションスキルをトレーニングする機会を奪われたまま、社会人になるからだ。

高学歴というステータスによって結婚まではたどり着いても、お互いに気を使い、譲り合い、共感し合うことが日々要求される家庭生活では、そのバランスの悪い一方的なコミュニケーションが露呈してしまうのだ。

 子どもとのかかわり方が独りよがりであったり、かわいがる時と無視する時が極端であったり、かかわることを避けたりと、周囲を疲れさせるのである。

子どもが幼いうちは、これでも済むのだが、子どもが思春期に差し掛かると、子どもの反発を招き、親子の関係が急速に悪化することが多くなる。

 

思春期で苦しんでいるわが子を受容するどころか、追いつめるような独りよがりの言動を取り続ける父親に対して、母親はわが子を守ろうとして父親に立ち向かうことになる。

助け合うべき家族がすれ違ってしまうのだ。

家族のすれ違いは哀しみを生み出す。その哀しみは家族から笑顔を奪い、家庭の中にうつ的気分が広がっていく。

校長室で出会った母親たちも、一様に、抑うつ的症状と無縁ではなかった。

 

 昨年もたくさんのST家族に出会い、STパパとの関係に悩む母親たちの苦悩に胸を痛めてきた。

今年は、STパパたちが、自らをSTパパだと自己認知でき、自らの取り扱い説明書(トリセツ)を持つことができるように、STパパ向けの新しい本を書きたいと思っている。

 

 STパパたちよ、あなたたちはすばらしい能力の持ち主である。

しかし、自らのコミュニケーションの偏りに気づく必要がある。

仕事もでき、家族をも癒すことのできる家庭経営能力が身につけば、あなた方は有為の人材として、老後も幸せを手に入れることができるであろう。

 しかし、自分の存在が、周囲の限りない受容と犠牲の上に成り立っていることへの気づきと感謝がなければ、決して、幸せな人生の終末を迎えることはできないだろう。

 

 今年は、STパパたちへの発信を強める年にしたいと、年の初めに決意を新たにしている。




  • Posted by 2016年01月16日 (土) | コメントコメント(0

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