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コラム

【2月号】引きこもりとゲーム依存

 このところ、立て続けに高校生のカウンセリングをする機会が増えている。

 

共通するのが長い間の引きこもりから抜け出して、自分に合った進路探しの作戦会議を求めているということである。

そして、ゲーム依存の生活が続いて、親たちを嘆かせてきたという同じような体験を持っているのだ。

 

 不登校から引きこもりに陥った子どもたちの親が、一番心配するのが子どものゲーム依存である。

昼夜逆転の生活の中で、何かにとりつかれたように、ひたすらゲームに熱中するわが子に対して、心身の病理の深刻化とともに、このまま、一生このひきこもり生活から抜け出せないのではないかと、おびえてしまうのだ。

そして、そんなわが子を守ろうとして、ゲームの時間制限やゲーム機器の取り上げ、費用の不払いなどの介入を行おうとしがちである。

この介入に対して、子どもは激しく反発し、家庭内暴力や器物損壊行動につながることが少なくないのだ。

 

 私もかつて、アナログ的な立場からゲームを見ていたために、対応に苦慮する親たちに否定的なメッセージを発信し、かえって家庭内のトラブルに拍車をかけていたのではないかと反省している。

 

 しかし今、子どもたちから新しい学びをもらい、ゲームに対する認識を前向きなものに変え始めている。

 

「二年もの引きこもりからよく抜け出せたね?」

 

「おかげさまで何とか …… 」

 

「引きこもっている間、何が一番辛かった?」

 

「親がゲームを目の敵にして、ゲーム機器を壊されたことですかねぇ」

 

「それはちょっとひどいよね」

 

「あの時期、ゲームだけが心の支えだったんですよ。それなのに、やっぱりこの人たちは僕のことなど、少しもわかろうとはしないんだなって、はじめて、親に対する憎しみの感情が強くなり、家中のものを壊しまくりました。」

 

「そうだったんだ」

 

「昼夜逆転してると、夜、何もすることがないんですよ。何もしてないと、出口のない不安から、死にたいという気持ちが繰り返し襲ってくるんです。」

 

「 …… 」

 

「学校にも行けず、親の期待を裏切ってしまった自分には生きる資格はないと……

 

「自分を責めるわけだね」

 

「そうですね」

 

「それでも、生き抜くことができたのはどうして?」

 

「それはゲームがあったからです。ゲームに没頭している時だけは、全ての不安を忘れることができるんです。しかし、ゲームを止めると、不安が押し寄せてくる。だから、起きている間はゲームが手放せなくなるんです」

 

「ゲームをやりたくてやってるというわけではないんだね」

 

「もちろん楽しいからやるんですけど、止めるに止められなくなるっていうのはありますね」

 

「これがゲーム依存の正体なんだね。でも、何がきっかけでゲーム依存状態から抜け出せたのかなぁ」

 

「親との闘いに勝ったからでしょうか」

 

「親との闘い?」

 

「ええ、僕の余りにも厳しい反抗に驚いて、僕の生活に一切介入してこなくなったんですよ。その頃、森先生に何回かカウンセリングを受けたことも原因かもしれませんが、親の態度が変わりました」

 

「ゲームを目の敵にしなくなったんだね」

 

「そうですね、ゲームは僕にとって、唯一の親友みたいなもので、引きこもり生活の最高のパートナーなんですよ。そのパートナーを否定されるということは、僕自身が否定されるということと同じなんです。僕のことを理解したいと言いながら、全くわかっていないんです。だから、余計意地になってゲームを続けていたのかもしれません」

 

「自立のための闘いだったんだ」

 

「そうですね、この親たちの支配から自由になりたいと思って、ゲーム中心の生活をしまくってました」

 

「それがゲームをしたいだけできるという自由を勝ち取ったら気持ちに変化が生じ始めたってわけ?」

 

「ええ、突然ゲームに飽きてしまったんです。ゲームに費やす時間とエネルギーを、他のことに使ったら自分にも何かできるんじゃないかと思って……」

 

「そこで、今日来てくれたわけだ」

 

「そうです!」

 

スペシャルタレントの子どもたちは、思春期の人間関係でつまづくことが多い。

そして、起立性調節障害を引き起こすことによって、そのほとんどが昼夜逆転の生活となるのだ。

その昼夜逆転生活の生命の綱がゲームである。

 

 ゲームがあるから引きこもり生活が成立し、引きこもりを長引かせているという意見もあるが、私は今、ゲームのおかげで、子どもたちが引きこもりながらも生命を失わずに生き延びることができていると考えるようになった。

 

 親たちが子どものゲーム漬けの毎日を否定的に受け止めている限り、益々依存度は強まり、長期化すると考えた方がいい。

 子どもが不登校になり、いつ死のうかと追い詰められているにもかかわらず、相変わらず支配的立場を続けようとするのか、ゲームに依存するわが子をも丸ごと受け入れて信頼し、見守る立場に立つのか、ゲームを通して、親の成長が試されていると言えそうだ。

 

 たかがゲーム、されどゲーム、教えられることは多い。

“ゲームのせい”ではなく、“ゲームのおかげ”と思えるようになった時、子どものゲーム依存は終わりを告げるといえようか。




  • Posted by 2017年02月12日 (日) | コメントコメント(0

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