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コラム

【7月号】大津いじめ事件

大津いじめ事件における、学校、教育委員会、警察の対応には驚き果てるとともに、子どもの周囲にいる大人たちの、劣化現象の深刻さに背筋が寒くなるのを感じる。
わが国は、子どもを大人にする力を喪失したといえるだろう。罪なき、善意の子どもが、これほど苦しみ続け、大人に絶望した揚げ句、自ら生命を絶たねばならない、この日本という国には、少子化うんぬんを語る資格などないのではなかろうか。


それにしても、子どもの周辺で、子どもと向き合う仕事をすべき人たちの、何と小役人化したことか。今では、役人イコール無責任、無能、非効率、給与泥棒、前例踏襲主義、言い訳、もたれ合い、たらい回し、などという否定的用語が全て当てはまり、役人に対する市民の不信感は頂点に達している。
その中で、学校の教師は聖職者と呼ばれ、役人とは違う目線で評価されてきた。それは、先人たちの努力の積み重ねによって生まれた、盲目的信頼によるものである。
しかし、今回の事件は、公立学校の教師に対する信頼をこっぱみじんに壊してしまった。
現場の教師たちも、教育委員会の鉄面皮な役人たちと同じで、のっぺらぼうの顔なし人間であったのだ。人間性を失い、からからに乾き切った、権力組織の一員でしかないことが、天下に明らかにされてしまったといえよう。


近年文科省は、都道府県教育委員会―市町村教育委員会―校長―副校長(教頭)―主幹―主任― 一般教諭という、長年の悲願であった、ピラミッド型支配システムを完成させた。
このシステムは、全ての教師を行政の末端機構に組み入れることで、権力者の政策に一切の疑問を抱かず、指示・命令に対して、ひたすら忠実で従順な教師を育てる、究極の独裁的管理統制支配システムである。今回の事件は、このシステムの完成と決して無縁ではない。


このような中央集権独裁型システムは、教師から人間らしさを奪い、血も涙もない人間を育てることになる。
ひたすら、上を見て、組織に忠実な人間になるしかないのである。
中立公正だと信じられていた特捜部の検察官たちが、組織を守るために悪に染まっていったのも、全く同じ構図である。組織を守るために、ミスを隠蔽し、責任を他になすりつけ、事実をもねじ曲げるのだ。自分の意見を表明したり、人間的な行動をとろうものなら、人事評価で不利益をこうむるとなれば、いつのまにか、“見ざる”“言わざる”“聞かざる”人間が蔓延することになる。


それにしても、あの役人たちの対応はひどすぎる。昔の奉行所の悪徳役人そのものだ。
下々の民は、“由らしむべし”“知らしむべからず”という封建主義的意識のままである。
民主主義の基本の基本である、市民が主人公であり、自分たちは市民に奉仕する公僕であるという意識は全く欠如している。


今、役人をはじめとして、勉強のできた人たちが、その勉強の成果を、ミスを隠ぺいしたり、市民をだましたり、物事をすり替え矮小化したりと、人間性を感じさせない否定的な方向にばかり使っていることが、悲しくてならない。


現場の教師の皆さん、せめて、あなたたちだけは小役人化しないでください。
あなたたちが真実を見ようとしないで、誰が子どもたちを守ってくれるのですか。
権力の圧力はあるでしょうが、自分の足で立ち、自分の頭で考え、自分の言葉で発信して下さい。
先輩の一人としての心からの叫びです。




  • Posted by 2012年09月05日 (水) | コメントコメント(0

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