赤坂事務局長が司会進行を担当。森理事長のあいさつの後、武笠さおりさん・田所德雄さん・小野弥生さんにより、それぞれ保育園・中学校・高校での事例を発表していただきました。
どの事例でも浮き彫りになったのは、孤立した家族の苦しみであり、その支援の難しさです。
武笠さんは、保育園に勤務する立場から、若い母親たちが、第一子の我が子への向き合い方がわからず、孤育てによる負担感を強めて、保育園に丸投げしたり、時には過剰に神経質になって要求が強くなったりと、保育士たちが対応に苦慮している現状を話されました。
若い母親たちを受容しつつ、子育て力を高めてもらうために、支援者の覚悟を伴ったアドバイスやサポートが求められているのではないか、という報告に参加者一同大きくうなづきました。
田所さんは、中学校校長の立場から、大人に対する不信感を強めている子どもたちが増えていると述べ、子どもたちが信頼を寄せる教師像について、次の5点を挙げられました。
① いつも笑顔で安心のメッセージを伝えられる
② 孤独に耐える力を持っている
③ 無駄とわかっていることにも取り組める
④ 子どもと一緒になってバカになれる ・・・・ 自己開示
⑤ 固定観念や先入観にとらわれず、いつも心を白紙にし、変われる力を持つ
小野さんは、私立学校の養護教諭として、今まで関わったST家族への支援で、心に残る二つの事例を通して、在学時より、転学・卒業後へと継続して支援することの難しさを語っていただきました。
質疑応答の後、散会後も、参加者同士の交流が永く続きました。
事例を報告いただいた三名の方に心より感謝申し上げます。