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【6月号②】痛ましい告白
【6月号②】痛ましい告白

 女子テニスの大坂なおみ選手が〝うつ〟で苦しんでいることを告白して、全仏オープンの2回戦を棄権した。

 彼女を、傲慢な態度でここまで追いつめた全仏オープンの関係者に強い怒りを感ずるとともに、大阪なおみ選手の訴えについては全面的に支持したい。彼女の気持ちが分かるからだ。

 彼女は抜きん出た五感力を持つスペシャルタレントである。五感力の中でも特に動体視力に秀でており、彼女の天才的なテニスの才能を支える土台となっている。

 音楽家の多くが絶対音感の持ち主であるように、トップアスリートも又特別な動体視力の持ち主である。この並外れた動体視力なしに、スピードを要求される競技でトップ選手になることはできない。

 脳のエネルギーが視覚領域に集中され、極限まで感度が研ぎ澄まされるのだ。そのため脳のエネルギーの分配率に偏りが見られ、コミュニケーションが苦手というアスリートがいてもおかしくはない。

 自分のペースで言葉を選ぶことができたり、少々言葉足らずやストレートな物言いであっても許される受容的な場所であれば何とかこなすことができても、自分に対して非受容的であったり、急かされたり、どんな質問が飛んでくるか分からないような極度の緊張を強いられる場所は、スペシャルタレントにとって大きなストレスとなる。

 スペシャルタレントたちの持つスペシャルタレント気質は、ピュアであり嘘がつけない。建て前と本音を使い分けることが苦手である。自分の本音に蓋をして、建前でコミュニケーションを展開することは大きなストレスとなり、心を病む原因となる。

 相手に合わせたコミュニケーションを展開することで、配分の少ない社会性領域の脳内エネルギーを大量に消費し、脳内エネルギーの枯渇を引き起こすのだ。

 大坂選手も、自分の内なる感情に蓋をして、笑顔でマスコミの喜びそうな話をすることを、心と身体が受け付けなくなってしまったのであろう。

 トップアスリートがそんなやわなメンタルでどうするんだと言われそうだが、みんなが同じようにメンタルが図太い訳ではない。それこそスポーツ界が掲げる多様性という視点で言えば、記者会見が得意なアスリートがいてもいいし、逆にそれが苦手で、考えただけで不安が募り、予期不安やパニック障害を起こすアスリートがいてもおかしくない。

 それこそ、人は違っていいのだ。そして、ストレスキャパシティーの大きさも人それぞれである。大坂選手のようなスペシャルタレント気質の人々の中には、五感力に優れる反面ストレスキャパシティーが小さめの人が少なくない。

 アグレッシブなプレイスタイルとは逆に、人間関係においては内向的で感受性が強く繊細であると言われている。

 テニス界が求める記者会見は当然の義務であり、拒否することは絶対に許されないという強権的体質への疑問も当然のことである。

 マスコミと一体となって、選手を支配下に置き利権を貪る姿は、今暴かれているIOCの姿とそっくりである。

 アスリートは彼らの儲けのための道具ではない。全仏オープンの主催者たちが、スポーツの多様性を訴えながら普通を押しつけ、それに従わないものに罰を与え、更には四大大会から追放するが如き恫喝を加える姿は、ダブルスタンダードで時代遅れである。

 大坂なおみ選手のぎりぎりのアクションに対して、SNSでは思ったことを発信するのに記者会見を拒否するのは賛同できない、お互いに歩み寄って解決して欲しいという、事なかれ主義のわが国のマスコミの初期のスタンスにも失望せざるを得なかった。

このドッチモドッチ論は結局強者の論理であり、アスリートを救うことには繋がらない。既得権益にしがみつくマスコミとスポーツ界という利益共同体の限界であろうか。

 

大坂なおみさん、あなたは賢明でした。誰が何と言おうと心が折れた状態で無理してはなりません。

ゆっくり休んで、またアグレッシブなテニスを見せて下さい。

 




  • Posted by 2021年06月04日 (金) | コメントコメント(0

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