昨年12月号のブログに、「子どもを守るために」というタイトルで、“日本をとり戻そう”という、安倍さんのスローガンが、“戦前の日本をとり戻そう”と聞こえると書いたが、わが国は予想以上のスピードで、戦前の警察国家への道を逆戻りし始めたようである。
11月26日に特定秘密法案が衆議院を通過した。
この法案は、衆議院選挙、参議院選挙のいずれの公約にも見当たらず、オリンピック誘致のどさくさに紛れて、秘密の定義もあいまいなまま、与党自民党・公明党と一部野党が独裁的に成立させようとしている。世界では情報公開が叫ばれ、日本でも原発事故以降情報公開が求められている時に、よりによって情報隠しの権化のような特定秘密法案とは。このことはまさしく、日本の政治の劣化、議会制民主主義の衰退を証明するとともに、安倍首相の反国民性をあからさまにしている。
そもそもこの悪法は“何が秘密情報なのか秘密”なのだ。政府が“秘密”と指定したその情報に近づいただけで、一般市民も、共謀罪、扇動罪で逮捕されてしまう。逮捕されてもどの部分が法にふれたのかわからない。公務員だけでなく一般市民にまで網をかけたとんでもない法案なのだ。国民は委縮してもの言えぬ状態になるであろう。
国会議員といえども、情報を得て秘書や所属政党に口外すると処罰対象になる。また、“その他”というただし書きが36か所もあると言われており、秘密の範囲は、官僚の思いのままに無制限に広げることができる。国会議員も地雷を踏まないようにするのに精いっぱいで、国会で追及などできはしない。戦前のように国会議員の上に警察官僚が君臨することになるのだ。どれだけの国会議員が、この深刻さを理解しているのだろうか。
このように、主権在民を否定し、国家主権を強化しようとする人たち程、わが国の国益をアメリカに売り渡そうとする人たちと重なるのは、不思議なことである。「日本国憲法は、アメリカに押し付けられたものだ。だから自主憲法が必要だ」と言いながら、TPP・基地問題など、アメリカのいいなり。果ては、アメリカに電話を盗聴されても、抗議の一つもしない。日本の独立国家としての毅然たる態度など、みじんも見られない。
この人たちは本当に日本人だろうか?
そう言いたくなる程、今の政権は民意とかけ離れている。こども・被災者支援法の成立には、二年以上もかかり、津波・原発被災地域の復興は遅れるばかりである。脱原発の民意も無視され、あろうことか再稼働の動きも加速されている。
国民が頼みもしないことは、猛スピードで内容も明らかにされないままに成立し、急いで欲しいことや、力を入れて欲しいことはたなざらしにされる。特に、子育て支援に関わるサービスは、低下するばかりである。子ども手当は、目の敵にされて骨抜きにされ、高校無償化も収入による制限が加えられる。
このままでは、ますます少子化に拍車がかかりそうである。
子どもや若者を犠牲にする“息苦しい国”“戦争ができる国”など、まっぴらごめんだ。
“子どもの笑顔が輝く国”こそ、わが国がめざす道でなければならない。
子どもたちの笑顔を守るために、これからも声を上げ続けたい。
- Posted by 2013年11月29日 (金) | コメント(0)
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