1月18日、早稲田大学で行われた“子どもたちの未来を育てよう”というシンポジウムに参加した。
その中心テーマは、離婚家庭の子どもたちに支払われるべき養育費と、非同居親との面会交流のあり方についてであった。
離婚家庭の支援については、家族支援カウンセラー養成講座でも、家族支援の大きな柱のひとつと位置付け、NPO法人アンファンパレットの代表である新川明日奈さんに講義をお願いしているが、協会として今後、更に取り組みを強めていかなければならないと、心を新たにした一日だった。
私が胸が痛んだのは、子どもたちが両親の離婚によって傷つき、更にその後も傷つき続けているという現実であった。
面会交流というのは、離婚家庭の子どもが、離れて暮らす非同居親(父親)と、月に1回か2回、場所・日時を決め、支援者の仲介のもと交流し合うことであり、子どもの重要な権利である。
しかし、この権利が脅かされることが増えている。
養育費の支払いと面会交流は、本来切り離して考えられるべき性質のものであるが、これがリンクされることによって、養育費の支払いいかんで面会交流が左右されることになるのだ。
離婚時に合意される養育費は2~5万円が最も多いが、これが3年以内に履行されなくなる割合は、7割を超えている。
そうなると、母親が子どもの面会交流を拒否することが増えてくる。
たとえ、面会交流は認めても、父親への批判・悪口がエスカレートし、子どもは同居する母親との関係悪化を恐れて、面会交流を望まなくなってしまうのだ。
非同居親(父親)の年収は、500万円未満が圧倒的である。
再婚して、新しい家族と暮らし始めたら、合意した養育費を払い続けることは容易ではないだろう。
ましてや、今わが国は、非正規雇用化が進み、リストラも厳しい。
我が子への想いはあっても、養育費を払い続けることがむずかしい環境が広がりつつあるといえるだろう。
一方、同居親(シングルマザー)の年収は、200万円以下が8割を占める。
たとえ、わずかであっても、養育費なくしての子育ては、困窮をきわめることになる。
結局、養育費の不払いは、罪のない子どもたちにしわ寄せがいく。
生活が困窮するだけでなく、非同居親(父親)と会うこともかなわなくなるのだ。
犠牲になる子どもたちは増え続けるばかりである。
今、離婚家庭の子どもに、5万円が支給されれば、多くの子どもたちが傷つかなくて済む。
自分が生まれてきたことを責めなくて済むのだ。
無駄な公共事業や軍事費、安倍さんの海外への大盤ぶるまいを削れば、いくらでも財源はある。
子どもに冷たい国から、子どもを大事にする国へ。
- Posted by 2014年01月22日 (水) | コメント(0)
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