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コラム

【10月号】チェルノブイリの子どもたち

八月末に、中村敦夫さんの話を聞く機会があった。中村さんはかつて、テレビ時代劇“木枯らし文次郎”で、一世を風靡し、その後は、参議院議員として、作家として、ジャーナリストとして、社会問題に対して、尊敬に値する発信を続けてこられた方である。今回、日本ペンクラブの環境委員長として、爆発事故26年後のチェルノブイリの現状を視察され、その報告会が開かれたのだ。


中村さんの言葉を一部要約する。
「チェルノブイリ原発の爆発から、26年がたつ。その姿はまさしく、26年後の福島の姿でもある。チェルノブイリの子どもたちの姿は、26年後の福島の子どもたちの姿でもあるのだ。


チェルノブイリから、4キロ程離れたところにあったプリピャチという原発労働者の町には、当時人口が5万人、平均年齢が27歳で、妊娠している女性が多かった。その全員が被曝し、すぐに退避したものの、時すでに遅く、胎児も被曝してしまったのだ。


その後、実施された子どもたちの追跡調査によると、ピックアップされた350人の7才児では、健康で異常のない子どもは0%。つまり100%健康に問題があるとの結果が出ている。70キロ離れたナロジチの同じく350人の7才児では、97.5%が健康異常と診断されているのだ。心臓病、血管や呼吸器障害,甲状腺がん、筋力障害、それに背中の曲がる子どもが増えているそうである。


一方、110キロ離れていたウクライナの首都キエフでは、当時の女性市長が反対を押し切って、25万人の子ども全員をクリミア半島の観光地に即避難させ、子どもの健康被害を防いだと評価されている。


過去20年間で、ウクライナ人の平均寿命は75才から55才へと20才も下がっている。
それは、当時、子どもだった30代や40代の人たちで亡くなる人が多いからだ」


話を聞いているうちに、今まで、おぼろげに見えていたものが、明確なかたちで突きつけられたような気がした。政府は、「ただちに健康に影響はない!」と、私たちを言いくるめてきたが、それは、「今後は、末永く影響がある!」というのと同義語だったのだ。
まちがいなく福島はチェルノブイリ化するだろう。


なのに、政府の対応は危機感に乏しく、福島の子どもたちの未来に責任を負おうという姿勢は見えない。将来に備えて、子どもたちを救うための医療施設や静養所を準備することが不可欠であり、これ以上内部被曝をさせないために、安全な水と食を子どもに提供する厳しいチェックシステムも必要である。


一度、起きると収拾がつかないのが原発である。チェルノブイリの今が明らかにしているように、原発事故は何より子どもたちに大きな被害を与える。しかし、子どもたちは声を上げることはできないのだ。大人の決断に身をまかせるしかないのである。
だからこそ、大人は子どもたちの未来を守るための決断をしなければならないのだ。


「子どもたちを未来永劫苦しめる原発はいらない!」
なぜ、このように決断することができないのだろうか。それは、原発によって、利益を分かち合う大人たちがいるからだ。この人たちは、自分の目の前の利益のために、子どもたちの未来を喰っているのだ。このままでは、子どもを生むことをためらう若者が増え続けることだろう。
原発が存在する限り、安心して、子どもを生み、育てることができないからだ。
原発ゼロは未来の子どもへの、今を生きる大人たちの最低限の責務である。




  • Posted by 2012年10月22日 (月) | コメントコメント(0

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