7月の都議選の当選者の中に、サバイバーの星とも呼ぶべき人物を見つけた。
その人とは武蔵野市選挙区選出の五十嵐衣里さん(37歳)である。
名古屋市出身で、中学生の時にいじめにあい不登校となった。そのため高校には行かず、飲食業やトラック運転手などのアルバイトで生計を立て、働きながら22歳で高校卒業認定資格を取得、その後、夜間大学を経て法科大学院に進み、30歳で司法試験に合格したという。
厳しい道を逞しく切り拓いてきたその生きざまは、まさしくサバイバーの星とも言えるものだ。
計らずも不登校の道を選んだ子どもたちへの大きな励ましとなるであろう。都議会での活躍が楽しみでならない。
コロナ禍で不登校は増え続けている。あの一斉休校の影響も大きいようだ。中学校生活のスタートで仲間づくりができず、そのことで学校生活になじめないままの中学二年生が多いという。私のところにも相談が寄せられている。
親たちの学校信仰は相変わらず根強いものがある。中学・高校・大学・企業という一本道のレールこそが幸せに続く道であり、その一本道から外れることなく着実に前進させることが親の役割として疑わないのだ。
レールから外れたら社会の落伍者となり、未来は閉ざされてしまうという強い不安にかられ、子どもにレールの上をひたすら走ることを強いてしまう。
未だに、学校を休み始めた我が子を受け入れることができず、何としても学校に行かせようとする親は少なくない。子どもの心と身体は悲鳴を上げているのに、ただ学校に通っているという外見のために、何が一番大切かを見失ってしまうのだ。
学校での評価や学力より、子どもの命が一番のはずだ。命あっての学校生活である。子どもたちには自分の命を守るために学校に行かないという選択をする権利があるはずだ。
体調や心の不安・辛さは本人にしか分からない。登校を嫌がる時は、心と身体から出される「これ以上無理をしてはいけないよ」というシグナルを自分で察知している時だ。
もっと子どもたちを信じて、学校と距離を置く選択を受け入れて欲しい。
今では世の大人たちが言い続けてきたプラスの役割より、いじめや同調圧力・ブラック校則・勝利至上主義の部活動などの負の側面が大きくなり、学校嫌いの子どもたちは増え続けるばかりである。
コロナ禍にあって行事も多くが中止され、一方的に我慢を強いている学校は、今や子どもたちにとって魅力ある必要な場所ではなくなっているのだ。
辛い思いをして学校に通っている子どもたちよ、〝学校に行かなくなっても未来はなくならない!〟そのことは多くのサバイバーたちが証明している。五十嵐衣里さんもその一人だ。
親たちよ、子どもを守れるのは親であるあなたしかいない。肝を据えて、子どもに安心できる居場所を創り出してやって欲しい。
回り道、寄り道、戻り道、自分に合った道があるはずだ。
- Posted by 2021年07月13日 (火) | コメント(0)
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