2月末から、全国書店にて、新刊“未来に輝け!スペシャルタレントの子どもたち”の発売が始まった。
私にとって、記念すべき10冊目の単行本である。多くの人々の眼にとまって、苦戦する子どもたちへの理解が進むことを強く願っている。
私にとって、記念すべき10冊目の単行本である。多くの人々の眼にとまって、苦戦する子どもたちへの理解が進むことを強く願っている。
私は、永らく教育現場にいて、思春期で苦戦する子どもたちに、共通する気質が存在することを感じてきた。私は、この気質にスペシャルタレント気質(ST気質)と名づけ、この気質を持つ子どもたちを、“スペシャルタレントの子ども”と呼び、その支援に力を注いできた。
これらの子どもたちは、人にはない優れた才能を持ちながらも、基本的な人間関係能力に弱さがあり、集団が優先される環境の中で、人と同じことを同じように要求されることに、強い抵抗を示す。マイペース・マイシステム・マイルールが許容される世界で初めて、存分に能力が発揮されるのだ。
自分の内なる資源(リソース)である、豊かな五感力に目覚め、その五感力を発揮する道筋が見つかった時、これらの子どもたちはスペシャルタレントとして、周囲からリスペクトされ、承認欲求を満たすことができる。
しかし、五感力をもとにした創造的な世界を評価されず、人並みを要求され、人間関係能力の弱さを追求されると、その環境にストレスを感じ、二次障害としての病理を発症させてしまうことが少なくない。
今、わが国の多くの企業では、従順で協調性のあるバランス型の人間が良しとされ、個性的でアンバランスなST気質の人間は、使いづらいと敬遠されてしまう。変り者、異端児として、あるがままの自分でいることが許されないのだ。
一方、一流のアスリートや芸術家、企業の創業者などは、この気質の人が多い。
他人と同じであることを拒否し、他人と違うことをとことん追求し、己のイメージしたものを見える形にしようという強いこだわりが成果を生み出すのだ。
しかし、今、このST気質ゆえに、思春期で苦戦する子どもたちは増え続けている。親や教師の理解が弱いからである。ST気質への理解が広がらなければ、スペシャルタレントの子どもたちや若者は、安心できる居場所を失い、自分の心と身体をストレスから守るために、パーソナルスペース(閉じられた空間)に引きこもるしかないのだ。これは、大きな社会的損失である。
この本は、苦戦するスペシャルタレントの子どもたちへの応援歌である。
子どもたちが傷ついている時に北風を当ててはならない。心が癒され、自分に自信が持てるように、暖かな日ざしを与えることが大切だ。
是非、一度、手に取ってみて欲しい。
学びリンク社刊 森 薫著 1400円(税別)
“未来に輝け!スペシャルタレントの子どもたち”
- Posted by 2013年04月25日 (木) | コメント(0)
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