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コラム

【4月号】保育の現実

 三月中旬、保育士の養成を目指す都内の専門学校の卒業式に出席した。

若者たちの晴れやかな笑顔を見つめながら、彼らの保育士としての厳しい現実を思うと、手放しで祝福する気分にはなれず、複雑な気分であった。

 

 というのも、このところ保育関係者から耳にする話は、「うちの保育園は、8名の保育士が辞めた」「辞めた保育士のあとが埋まらず、欠員が続いている」「新任の保育士が毎年半分以上辞めていく」などと、否定的な話が多く、身につまされることが多いからだ。

 

 その背景には、保育士の低賃金労働がある。

公立保育園に比べると、民間保育園の待遇は、格段に落ちる。

平均年収は220万円という統計がある。これではワーキングプアそのものである。

せっかく高い学費を払って保育士の資格を取得しても、ワーキングプアの道しか開けないのでは、卒業への祝意にも陰りが生じるのも仕方がないと言えよう。

 

 年端のいかない保育園児たちを丸ごと受容し、笑顔で愛情深く接するためには、保育士たちの経済的・肉体的・精神的余裕が必要だ。

低賃金・長時間労働で、休みも取れないというのでは、人にやさしくできる訳がない。

どんなに保育士としての使命感にあふれていても、それには限界があるのだ。

 

 先輩保育士たちに余裕がなければ、新任の保育士たちをやさしく育成することもできはしない。

先輩保育士たちが幸せそうであれば、それをモデルとして目の前の厳しい現実を乗り越えるエネルギーが生まれてくる。しかし、先輩保育士が心身ともに疲れ果て、笑顔を喪失している姿に日々接しざるを得ないのでは、厳しい現実に踏みつぶされてしまうであろう

 

 政府は労働人口の減少に危機感を抱き、働く女性たちを増やそうと躍起になっている。

しかし、女性が生き生きと働き続けるためには、子どもを預ける保育施設が必要であり、そこには優秀な保育士たちの存在が欠かせない。より良い保育が保障されない限り、女性は安心して働き続けることは出来ないのだ。

 

 政府のかけ声だけは立派だが、言っていることとやっていることが矛盾だらけである。

働く女性が安心して働くためには、安心して子供を預けられる保育所・園が必要なのに、そこで働く保育士の待遇は、劣悪なままである。

 

 大企業は、350兆円もの内部留保を積み上げ、今後も増やし続けようとしている。

これらの大企業には気前よく減税するとともに、軍備費も増え続ける一方である。

 

政治を担う人たちよ!どうか、納税者の税金を子どもたちの未来の為に使ってほしい。

子どもたちを保育する保育士たちの賃金をもっと上げるために、納税者の税金を使ってほしい。

 

 

そして、子どもたちに道徳を語る前に、納税者の税金である助成金の一部をかすめ取るような卑劣なことはやめて下さい。



  • Posted by 2015年03月29日 (日) | コメントコメント(0

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