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コラム

【2月号】いじめ社会

 このところ、小学4年生の男子のいじめについての相談が相次いだ。

子どもたちが、“つ離れ”(一つから九つまでは“つ”がついているが、十になると“つ”が離れる)する時期になると、同級生の集団に、“スクールカースト”と呼ばれる差別社会が構築されるが、そのことと無縁ではないようだ。

 

 カーストの最上位を占めるのは、スポーツが得意で勉強もできる子どもである。

勉強ができても、スポーツが苦手で、面白みに欠ければ、その地位は低くなる。

最下層は、マイペースで人に合わせることの苦手な、のび太型の子どもたちである。

“キモイ”という、人を死に追いやりかねない無慈悲の言葉を乱発する仲間たちから、必死で身を守りながら暮らしているようだ。

 

 最下層の子どもたちの多くが、スペシャルタレント気質(ST気質)を内包する子どもたちだといってよい。

“つ離れ”以降の思春期は、これらの最下層の子どもたちにとって、常にいじめの不安におびえる冬の時代、“思冬期”といえようか。

 

 しかし、直接的ないじめの実行者は子どもたちかもしれないが、本当の張本人は、別にいるのではないだろうか。

母親たちの話で共通するのは、担任に対する不信感が強いことだ。

ある母親は、面談の度に、我が子に対する担任の否定観・困り感が痛いほど伝わってきたという。

『困った子ども』『扱いづらい子ども』『できれば特別支援学級に移ってほしい子ども』、そんなメッセージが、全身から漏れ出ていたというのだ。

 「これでは、わが子がいじめられても仕方がない」と、母親は学校を休ませることを決意したと、悔しそうに話してくれた。

 

 担任の人間観・人権感覚・洞察力に、未熟さや偏りがあれば、それが、内側からにじみ出て、教室の子どもたちに伝染し、弱者をいたぶる土壌はあっという間に醸成されてしまう。

その空気に後押しされるように、いじめは広がりエスカレートするのだ。

担任が、いじめの“お墨付き”を与えているようなものである。

 

 弱者をターゲットにして、集団で攻撃することで留飲を下げ、一時的に苦しい現実から逃避するといういじめの構造が、今、世界中に広がっている。これは一種の麻薬である。

 

 世界中で富めるものと貧しきものの格差が拡大し、若者たちの失業率は高くなるばかりである。

この若者たちの怒りが、1%の富裕層に向かせないようにするために、そのスケープゴートとして、移民や難民という弱者が差し出されているような気がしてならない。

ある意味、弱者同士の共喰いである。

 

 我が国とてこの潮流と無縁ではない。

我が国でも、非正規雇用が増え若者を取り巻く環境が厳しくなる中で、ヘイトスピーチと呼ばれる行動に参加する若者が増えている。その背景には、中国や韓国を敵視し、差別感情むき出しの安倍政権の存在がある。

 

 この構造は、子どもたちのいじめの構造と一緒である。

子どもたちのいじめも、担任の姿勢が断固たるものに変われば、いじめも消える。

ヘイトスピーチも、安倍政権が、“このような差別、人権侵害は、我が国においては絶対に許されない!”との強い姿勢を示せば、あのように醜い行動も広がりはしないはずだ。

 

 子どもたちは、大人の姿を映す鏡である。

いじめは、我が国のリーダーたちの人間観・人権意識の乏しさの反映である。

われわれ大人は、内なる思いと、外に発信する言葉を“自己一致”させなければならない。

内と外が不一致では、周囲を混乱させ、ある時は病理に追い込むことにつながる。

 

 我が国が誰もが安心して暮らせる社会に少しずつでも近づくために、弱者の思いをあきらめること無く発信し続けたい。




  • Posted by 2016年02月16日 (火) | コメントコメント(0

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