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コラム

【4月号】オリンピックは“時限爆弾”

 東京オリンピック・パラリンピックのエンブレムが、難産の末やっと決定した。
 

しかし、とてもそれを喜ぶ気持ちにはなれない。

東日本大震災の復興の遅れ、熊本地震の現実を思えばなおさらである。

周囲の盛り上がりも今一つで、オリンピックに対して冷めた空気が広がっている。

 ただ、それを声高に表現すると、非国民呼ばわりされかねないので、じくじたる思いをしまいこんでいるというのが、大方のところではないだろうか。

 

 破産寸前の財政危機に直面しながら、オリンピックにじゃぶじゃぶ税金をつぎ込むことなど、普通に考えたら狂気の沙汰であることは、自明の理であろう。

しかし、税金をわが財布の一部と考える一部エリートたちには、自分たちの自己顕示欲と利権しかないのかもしれない。

 

 ある地方自治体の財政担当者と話す機会があったが、今、公共施設を中心とする“ハコモノ”は自治体の“時限爆弾”と呼ばれているという。

バブルの時期に、お手盛りの利用見積もりによって、次々と建設された“ハコモノ”は次々に建て替えの時期を迎えようとしている。

しかし自治体には、もはやその財源はない。破産寸前の自治体も多いのだ。

 “ハコモノ”は、建設費用がかかるだけではない。その維持費も莫大なのだ。

これからは全国至る所に、維持することも壊すこともできない負の遺産が廃墟となって国民を苦しめることになるであろう。

 現に、長野オリンピックの負の遺産で、長野県・市は苦しめられ、厳しい財政運営に追い込まれている。

 

 最初、東京オリンピックは、コンパクト五輪と称して、3000億円程度の費用で運営できると、内外に発信していたはずなのに、今では、2兆円、3兆円というコストが公然と語られるようになっている。

その多くが、血税である。全て若者につけが回る仕組みである。

 

 誰も責任を取らない無責任体質は、あの原発事故と変わらない。

わが国の高学歴エリートに共通する体質である。

 オリンピックという錦の御旗を掲げれば、多くの国民が黙り込まざるを得ないだろうとの思い上がりは、まったく江戸時代の悪代官そのものである。

 

 オリンピックのビジネス主義の拡大が物議をかもしてから久しいが、開催の度にその度合いは強まり、スポーツの発展ではなく、一部利権屋たちのショービジネスに成り下がっている。

ドーピング問題も世界中を揺り動かし、選手たちのスキャンダルも後を絶たない。

加えて、東京オリンピックのホスト知事である人物は、オリンピックを口実に、税金で豪遊を繰り返して恥じない。

クーベルタン男爵のオリンピック精神は、どこに行ってしまったのだろう。

 

 保育園落ちた!のブログにも書かれていた通り、オリンピックに費やすお金があるのなら、子育て支援に回すべきである。

保育園を増やし、保育士の給与を上げ、保育料を下げてほしい。

できれば無料にしてほしい。

奨学金も若者を借金漬けにする貸与型ではなく、給付型にしてほしい。

いくらでも優先すべき課題がある。

 

 この国の方向は全く間違っている。

それは、税金の使い道を見ていればよくわかる。

まじめに働き、一生懸命子育てをしている人々が切り捨てられているのだ。

一部エリートのエリートによるエリートのための税金の使われ方といえようか。

 

 オリンピックの開催が辞退できないのであれば、当初の予定通り、3000億円の範囲内で、実施してほしい。でなければ、オリンピックは我が国にとって“時限爆弾”になるであろう。

 

未来の子どもたちに負の遺産を押し付けないために、今後のオリンピックの動きに大いに関心を持ち続けたい。




  • Posted by 2016年04月30日 (土) | コメントコメント(0

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