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コラム

【10月号】食料主権の危機

今、私たちが知らないところで、私たちの生命の元である食と水に心配な動きが生じている。

 

 一つは、食の源である種子法の廃止である。

今までは地方自治体が種子の保存に責任を負っていたものが、外資にも自由化され、日本古来の種子が

売れる売れないで、自然淘汰され消えていく可能性が強まっているのだ。

 

 もう一つは、次の国会にも再提出される水道法の改正である。

設備は今まで通り地方自治体が所有するが、運営を自由化するというものであり、外資の参入が予想さ

れている。

儲からない地域では水道が出なくなったり、水道料金が跳ね上がってペットボトル頼みということも起こるかもしれない。

 

 さらには、身体への悪影響が懸念される遺伝子組み換え食品の輸入品目も拡大されようとしている。

わが国の食料主権が危機にさらされていると言えそうだ。

 

 かつて中学校の通級指導学級で、心身ともに傷ついた子どもたちのサポートをしていた頃、毎週のカリキュラムの中に必ず調理実習を組み込んでいた。

 子どもたちとメニューを相談し必要な食材の購入計画を立てた上で、家々の庭先の花を眺めたり、雑木林の枯葉を踏んで歩いたりと、寄り道をしながら買い物に行くのも楽しみの一つだった。

 

 調理実習を重ねる中で、子どもたちのぺしゃんこに押しつぶされていた自尊感が回復し、目の輝きが戻っていくのが手に取るようにわかり、〝調理実習に勝る教材はない!〟との確信となっていった。

 

 調理実習を通して、コミュニケーションスキルを伸ばすことにも力を入れたが、わが国の食の現実についてもできるだけ話すことにした。

食料自給率がどんどん下がっていることや、農家が高齢化して後継者がいないこと、食品添加物の多さや、流通の仕組みなどなど。食の主権者として、最低限のことを知って欲しかったからである。

 

 ある意味で、私なりの食育であり、総合学習の場でもあったと言える。

私もやっていて楽しかったし、一か月に一回は保護者にも参加してもらって、親子の絆を深めるとともに、親子で食について学び合う機会ともなった。

 

 この成功体験を通して、調理活動が子どもたちの心のエネルギーの回復に大きな効果を発揮することを実感した私は、不登校の子どもたちやその家族に食事作りを強く勧めることにしている。 

不登校になりやすいST気質の子どもたちは、五感力に優れており、味覚が鋭いために調理師としての才能を開花させることも少なくない。

 

 食は生命の元である。食事を作ることができれば、最低限生命をつなぐことができる。

不登校の子どもたちだけでなく、全ての子どもが食の主権者としての力量を高めるために食事作りにチャレンジしてもらうとともに、わが国における食を取り巻く環境の変化にも関心を持ってもらいたいと願っている。

   

今は、道徳教育よりも何よりも食料主権を守るための食育こそが優先されるべきではなかろうか。 

 




  • Posted by 2018年10月11日 (木) | コメントコメント(0

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