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コラム

【12月号】登校しぶり期への対応

 不登校生の数が13万人と高止まりしている。

しかし一方で、小中学校での不登校経験者の85%が高校に進学しているという数字があるのだ。 

このことは、不登校をあまり否定的なものとして捉える必要はないということを示している。

 私自身は長い間の経験から、不登校は神様からもらったギフトであり、自分のトリセツ(取扱説明書)作りのための貴重な休息の時間と考えている。

 しかし、多くの子ども・保護者・教師の三者ともに、不登校をネガティブに捉え、不登校=人生の敗残者・不幸な未来という意識に強く支配されているようである。

そのために、不登校という事実を受け入れることは容易ではない。三者三様の激しい葛藤が巻き起こり、その間に子どもの心身症状は悪化の一途をたどるのである。

 

 私は、不登校には次のように五つのステージが存在すると訴えてきた。

       後退期(登校しぶり期)

       混乱期(本格的不登校期)

       安定期

       回復期

       復活期

 私が今までサポートしてきた子どもたちの多くが、この道筋をたどって不登校となり、そして心身のエネルギーを回復させた上で、自分に合った学びの場を見つけていく。

 この五つのステージの中で、子どもが最も辛い思いをするのが①登校しぶり期であり、学校側が一番頭を悩ませるのも登校しぶり期であろう。

なぜなら、子どもたちの心身は負のスパイラルに陥ってはいるものの、気力を振り絞り、遅刻・早退を繰り返しながらも、辛うじて身体を学校に運ぶことができるからだ。なかには、午前中は集中力を欠いても、午後の部活動には元気に参加できる軽度の起立性調節障害の子どももいるので、学校側としても余計に判断が難しいのだ。

 ましてや親は、命がけで子どもを学校に通わせようとする。かつては子どもを布団から引きずり出して車に放り込んで学校へ連れて行ったという、切ない話をあちこちで聞いたものである。

 学校も負けてはいない。担任が毎朝迎えに行ったり、仲間たちが交代で迎えに行ったりと、あらゆる方策を講じて、本格的な不登校になるのを防ごうとするのだ。そして、今も不登校を減らすことを学校の目標にしたり、教育委員会が議会対策のために現場に介入することも少なくない。

 それは全て、不登校=悪という固定観念に支配されているからである。

 

 しかし、時代は変わり、不登校になっても多様な進路は保障されているのだ。不登校期間を自分の得意や強みを見つけ出してトリセツづくりをする時間にもできるし、更には、ストレスとの向き合い方を学びレジリエンス力を高める貴重な時間にすることもできる。

この意識の転換が早ければ早いほど、命がけで学校に通い続けたそのトラウマで、心身の回復が長期化することもなくなるであろう。

 

 私は、市区町村に不登校生支援委員会という、医師・心理士・スクールカウンセラー・スクールソーシャルワーカー・親の代表などで構成される第三者委員会が必要だと思っている。

 ここで、子どもたちの登校しぶり期の状態を客観的に判断すれば良い。子どもたちの心身の状態・ストレス度を点数化し、あるラインを越えた子どもに対しては、学校ではなくこの委員会が三者に対して、学校を休んで休養し、心身のエネルギーの再生を目指すことを勧告するシステムである。

 こうすれば、子どもがまだ頑張ろうとしている時に、学校が休めと言ったとか、逆に無理矢理登校を強いられたという、親と学校のすれ違いはなくなるであろう。

 

 今、不登校生の支援には、これまでの体験を集約した知的財産(ビックデータ)とともに、意識の大転換が求められている。




  • Posted by 2018年12月12日 (水) | コメントコメント(0

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