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コラム

【1月号】自律神経失調症
【1月号】自律神経失調症

 新年にはふさわしいテーマとは言えないが、自分の決意も込めて、今、最も力を入れて勉強している自律神経の働きについて書いてみたい。

 EXILEATSUSHI(佐藤厚)さんがグループを卒業するという。寂しい気持ちもするが、今後の幅広い活動に期待したい。

 その彼が数年前に苦しんだ自律神経失調症の体験について、自分の著書の中で赤裸々に語るとともに、テレビ番組でもトレードマークのサングラスを外し、やさし気な素顔でインタビューに応じていた。

 最初は疲れが取れなくなり、続いてめまいが起き、声の出も悪くなっていった。そして次第に気持ちが沈みこむようになり、ついには逃避願望が強くなって死ぬ事まで考えるようになったという。

 グループのリーダーであるHIROさんが抜けた後の責任の重さと、音楽界のトップを走り続けなければならない重圧で、いつしかストレスキャパシティーを超え、自律神経のバランスを崩してしまったのだ。

 一時も気の休まらない緊張が交感神経を刺激し続け、交感神経優位となって、心身をリラックスさせる副交感神経の働きが弱くなってしまったのであろう。

 どこかでストレスから身を遠ざけないと、自律神経のバランスはますます崩れ、睡眠・呼吸・血圧・食事・思考・感情コントロールなど諸々の生命維持装置に障害が生じ〝うつ病〟を発症することになる。

 〝うつ病〟と〝自律神経失調症〟はメダルの裏表の位置にある。ATSUSHIさんが生き抜いてくれて本当に良かった。

 

 私は常々、中高生にこの命の源である自律神経の仕組みを理解してもらうにはどうすればいいかを考えてきた。それは私自身が今まで何度か自律神経のバランスの崩れによって、様々な体調不良を経験し苦しんできたからだ。一度は長期の休職に追い込まれたことさえある。それもこれも自分の心身の構造に対する無知のなせるわざである。

 不安を抱えている素人に、ストンと納得のいく説明をしてくれるお医者さんにはついぞ出会わなかった。薬を処方してくれるだけで、自律神経の自の字も聞かせてもらったことはない。不安の中で自分の健康に自信を失い、心が折れかけたことも一度や二度ではない。

 そこで仕方なく、医者に頼らずに自分の力で、このどん底の状態から抜け出すべく学習を始めることにした。そして、自律神経の研究が私のライフワークとなった。もっと早いうちに自律神経についての理解があったらばと悔やむばかりである。

 学びを深めるうちに、過去の苦しみがどうして生じたものかがストンと胸に落ちていった。

ワーカホリックを引き起こしてしまう完璧主義のST気質と、容量の小さいストレスキャパシティーが相まって、すぐに交感神経優位状態になりやすいのだ。余程自分に言い聞かせていないと、いつの間にかスイッチが入ってしまって過覚醒となり、睡眠の質が低下したり血圧が上昇することになる。

 去年の夏は、コロナの感染を避けるストレスに夏の異常な暑さによるストレスが加わって自律神経のバランスが崩れたが、何とか自力で抜け出すことができた。学習の成果である。

 

 私が関わってきた不登校の子どもたちのほとんどが、自律神経のバランスを崩して、自律神経失調症の代表的症状である起立性調節障害を引き起こしていた。学校生活のストレスによって、交感神経と副交感神経の働きが昼夜で逆転するために、朝起きることができなくなるのである。

 しかし自律神経のしくみを知り、自分がなぜ朝起きることができないのかを理解できると、自分なりのトリセツづくりが始まり、自らの力で少しずつ昼夜逆転から抜け出すことができるようになっていった。

 

 心の骨折は外からは見えない。それ故に周囲にはなかなか理解してもらえない。ATSUSHIさんも苦しみ抜いたようだ。

このように若い世代のカリスマのような人たちが、自分の体験を中高生に向けて赤裸々に語ってもらうこと程ありがたいことはない。彼はこれまで歌い手として若い人たちを励ましてきたが、これからは自律神経失調症のサバイバーとしても貴重な存在である。大いに期待したい。

 私も中高性に向けて、自律神経のしくみについて、どう分かりやすく発信していくか、今熟慮中である。




  • Posted by 2021年01月10日 (日) | コメントコメント(0

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