民主党政権時代の子ども手当に立ち戻るものだが、大きな政策の転換である。
当時野党であった自民党は子育ての社会化を否定し、スターリンやポルポトがやったことと同列だと声高に罵ったものである。
わが国の保守的家族観の潮流は相変わらず根強いものがある。
それは同性婚をめぐる法制化の議論の中で飛び出した首相秘書官の発言でも明らかである。
私は30年近く前に、子育ての社会化を新聞で提唱したところ、「これ以上発言することはやめろ!」という脅迫の手紙が来たことがある。しかしめげずに発信し続けてきた。
民主党政権時代には『子育て省』の設置を強く提案した。そのことも甲斐あったのか定かではないが、直後に「子ども庁」の構想が生まれた。
“コンクリートから人へ”のスローガンのもと、出生数もわずかながら増加したのである。
それが「子育ては家庭の責任において」と主張する政権に代わり、この“失われた10年”によって少子化は急速に進んでしまった。
このあまりの激減ぶりに、さしもの自民党政権も手を打たざるを得なくなったようだ。
しかし最大議席数の自民党は、安倍派を始めとして超保守勢力が主流である。いつ足を引っ張るかもしれない。
今だけここだけの目先の利害に捉われることなく、日本の未来を見据えた子本主義政策が必要である。
そのためにも、見識のある国会議員を増やさなければならない。
わが国の子育ての社会化はG7の中では周回遅れである。
今回の岸田首相の発言が、G7の議長を務めるためのつじつま合わせのものであっては困る。本心から子育ての社会化へと舵を切ってもらわねばならないのだ。
わが国の遅れた家父長主義家族観は、国際的潮流からも取り残され、わが国が国際社会の孤児となる道に追い込んでいるのである。
いつまでもこのままでいいわけがない。
子どもを安心して生み育てられる社会を目指して、もう一度再スタートである。
- Posted by 2023年02月12日 (日) | コメント(0)
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